『〈中華人民共和国税関行政処罰裁量基準(二)〉の改正に関する税関総署の公告』が2025年3月1日から施行

『国境衛生検疫法』は2024年6月28日に改正され、2025年1月1日から施行されている。同法では国境衛生検疫の監督管理内容、違法行為および法的責任について重要な改正を行った。これに伴い税関総署は、『中華人民共和国税関行政処罰裁量基準(二)』(税関総署公告2023年第187号)を改正し、『〈中華人民共和国税関行政処罰裁量基準(二)〉の改正に関する税関総署の公告』(税関総署公告2025年第21号、以下『21号公告』という)を公布し、2025年3月1日から施行されている。『21号公告』では、3つの条項及び具体的な基準を定めた別紙リストを改正したほか、「初犯不処罰」の別紙リストを追加した。その要点は以下の通りである。

  1. 新たに改正された『国境衛生検疫法』に基づき、『21号公告』では、旧版『裁量基準(二)』における衛生検疫に関する内容が削除され、「軽微な違法への不処罰」事項1項、「初犯不処罰」事項1項、よくある事件の違法状況8項、簡易手続と迅速処理を適用する事件の違法状況4項が追加された。 

(1)「軽微な違法への不処罰リスト」の整備

広東・香港・マカオ・大湾区の人員往来の実情を考慮し、また出入国旅客の正常な仕事と生活に配慮し、軽微な違法に対する不処罰の状況を整備した。例えば、調理済みの肉とその製品、商業的に包装された乳と乳製品を携帯する行為に対する状況毎の処罰。少量の未包装食品の輸出に係る行政処罰事件の基数が大きく、商品価値や罰金額が低いという状況を考慮し、輸出食品が国内食品経営許可を得た企業のものである場合は、処罰を免除できると定めた。

(2)「初犯不処罰」別紙リストの追加

検査検疫申告においてよく見られる主観的故意によらない、速やかに是正できる、かつ危害をもたらさない検査関連の違法行為(規定に基づく衛生検疫検査の申告漏れ、輸出対象となる竹木草の無申告又は虚偽申告、商品検査を免れるための検査検疫無申告)については、「初犯不処罰」の範囲に明確に加えられた。

  1. 『21号公告』の適用規則:企業の違法行為または税関の行政立件が3月1日以前に発生したが、税関が3月1日以降行政処罰決定を下していない場合は、「旧兼軽(注:まず行為時の旧法を適用し、新法のほうが被告人に有利となる場合は、新法を適用する)」という原則に従い、税関は行政処罰を下すときに、企業に有利な裁量基準を選択しなければならないとした。