『生産安全事故に関する過料・処罰規定』(2023改正)が2024年3月1日より施行

『生産安全事故に関する過料・処罰規定(試行)』は2007年7月に公布・施行されて以来、2011年と2015年に2回の改正が行われた。2021年に『行政処罰法』と『安全生産法』を改正し、2022年に国務院は『行政裁量権基準の制定と管理を一層規範化することに関する意見』を公布、2023年12月25日に国家緊急時対応管理部は『生産安全事故に関する過料・処罰規定』(2023改正)を審議可決した。『生産安全事故に関する過料・処罰規定(試行)」(2015改正)と照合したところ、2023改正版では、過料基準を調整するとともに、違法情状の認定をより重視し、違法状況をさらに細分化している。

以下で個人に関する過料についてのみ整理する。

  1. 事故を起こした生産事業者の主要責任者に関する過料基準

個人への過料は依然として前年度の年収を基準とし、割合が調整された。

情状 2015改正 2023改正
事故発生後、応急措置を直ちに実施しない場合 100% 60%~80%。重罰基準:80%~100%。
事故の調査処理期間にみだりに持ち場を離れた場合 80%~100%
事故の報告を遅らせた場合 60%~80%
虚偽の報告をした場合 100%
事故が発生した後、逃げ身を隠した場合 100%
事故現場を偽造し、故意に破壊し、又は資金・財産を移転・隠匿し、又は関連証拠・資料を廃棄し、又は調査を受けることを拒否し、又は関連状況・資料の提供を拒否し、又は事故調査において偽証をし、又は他人に偽証をさせた場合 80%~90%
事故の報告を漏らした場合 40%~60% 40%~60%。重罰基準:60%~80%。
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、一般事故をもたらした場合 30% 40%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、比較的大きな事故をもたらした場合 40% 60%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、重大事故をもたらした場合 60% 80%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、特に重大な事故をもたらした場合 80% 100%
注:「重罰基準」の適用条件は、上述の左欄に記載された状況に該当し、かつ「事故の応急措置を誤らせ、又は事故の拡大をもたらし、又は事故の調査に影響を与え、又は重大な社会的影響を与えた場合」である。
  1. その他の責任者と安全生産管理者に関する過料基準

個人への過料は依然として1年間の年収を基準とし、割合が調整された。また重罰基準(適用条件は上述の注記と同様)及び法により安全生産管理職責を履行しないことにより異なるレベルの事故をもたらした場合の過料が追加された。

事項 2015改正 2023改正
事故現場を偽造し、故意に破壊し、又は資金・財産を移転・隠匿し、又は関連証拠・資料を廃棄し、又は調査を受けることを拒否し、又は関連状況・資料の提供を拒否し、又は事故調査において偽証をし、又は他人に偽証をさせた場合 80%~90% 60%~80%。重罰基準:80%~100%。
事故を秘匿して報告せず、又は事故発生後に逃げた場合 100%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、一般事故をもたらした場合 無し 20%~30%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、比較的大きな事故をもたらした場合 無し 30%~40%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、重大事故をもたらした場合 無し 40%~50%
法に基づく安全生産管理職責を怠った結果、特に重大な事故をもたらした場合 無し 50%