『中華人民共和国特許法実施細則』が改正済み、2024年1月20日より施行
2020年に『特許法』が改正され、2022年2月5日に中国が世界知的所有権機関の『工業製品意匠国際登録ハーグ協定』への加入申請後、上述の変化に対応するために、国務院は2023年12月11日に『特許法実施細則』改正案を可決し、2024年1月20日より施行することになった。
今回の改正のポイントは以下の通りである。
- 新規性を失わない状況の認定基準の一層明確化
『特許法』第24条では、特許を出願する発明創造について、出願日前の6ヶ月以内に下記の4つの特定の状況が発生した場合、新規性を失わないことを定めている。(1)国家に緊急事態または非常事態が発生し、公共の利益のために初めて公開された場合。(2)中国政府が主催または承認した国際展覧会で初めて出展された場合。(3)所定の学術会議または技術会議で初めて発表された場合。(4)他人が申請者の同意を得ずにその内容を漏洩した場合。
新『特許法実施細則』第33条では、上述の4つの状況について、認定基準及び手続要件を下記のように定めている。「特許法第24条第(2)号にいう中国政府が承認した国際展覧会とは、国際展覧会条約に規定された国際展覧局に登録しているか、または当該国際展覧局に認可された国際展覧会を指す。特許法第24条第(3)号にいう学術会議または技術会議とは、国務院の関係主管部門または全国的な学術団体が開催する学術会議または技術会議、および国務院の関係主管部門の認可を受けた国際組織が開催する学術会議または技術会議を指す。特許を出願する発明創造が特許法第24条第(2)号又は第(3)号の状況に該当する場合、出願人は特許を出願する際に声明し、出願日から2ヶ月以内に、発明創造がすでに展示または発表されたこと、および展示日または発表日に関する証明書類を提出しなければならない。特許を出願する発明創造が特許法第24条第(1)号又は第(4)号の状況に該当する場合、国務院特許行政部門は必要と判断した場合、出願人に指定期限内に証明書類を提出させることができる。出願人が本条第3項の規定に基づいて声明せず、証明書類を提出しない場合、または本条第4項の規定に基づいて指定期間内に証明書類を提出しない場合、その出願には特許法第24条の規定が適用されない。」
- 職務発明奨励及び報酬の基準の引き上げ
新『特許法実施細則』では、発明特許の賞金を過去の3000元から4000元に調整し、実用新案または意匠の賞金を1000元から1500元に調整した。
報酬について、元「特許法実施細則」第78条では、会社に規定がなく、かつ設計者との約定がない場合に、関連営業利益または使用許諾料から一定の割合を報酬として抽出すべきであると規定している。新「特許法実施細則」ではこの規定を削除し、『科学技術成果転化促進法』の規定に基づき報酬を与える内容に変更した。
『科学技術成果転化促進法」に規定された関連営業利益の割合は5%である。これは従来の『特許法実施細則』に規定された発明特許または実用新案に関連する営業利益の2%、意匠に関連する営業利益の0.2%をはるかに上回っているため、今後、規定及び約定がなければ、職務発明報酬基準は大幅に引き上げられる。また、許諾使用料については、旧『特許法実施細則』では10%、『科学技術成果転化促進法』では純収入の50%と規定されている。