『企業中長期外債審査登記管理弁法』が2023年2月10日より施行

2023年1月5日、国家発展改革委員会は『企業中長期外債審査登記管理弁法』(以下『56号令』という)を公布し、2023年2月10日より施行されることになった。これに伴い、『企業外債発行届出登記制管理改革の推進に関する通知』(発改外資〔2015〕2044 号、以下『2044号文』という)は廃止される。以下は『56号令』と『2044号文』を対比しながらポイントを簡単に説明する。

  1. 外債の定義の細分化

『2044号文』には、「外債とは、中国国内企業及びそのコントロールを受ける海外企業或いは支部機構が海外から借り入れた、自国通貨或いは外貨で価格を計算し、約定通りに元金を返済して利息を支払う1年期以上の債務ツールを指し、海外債券、中長期国際商業貸付などを含む。」と規定している。『56号令』では、「企業」、「コントロール」、「債務ツール」の定義が細分化された。

  • 「コントロールとは、企業の議決権の半数以上を直接的または間接的に持ち、または議決権の半数以上を持たないが、企業の経営、財務、人事、技術などの重要事項を支配できることを指す」。
  • 「債務ツールは、高級債、永久債、資本債、中期手形、転換社債、交換社債、融資賃貸及び商業ローンなどを含むが、これらに限定されない」。
  1. 届出登記から審査登記への変更

『2044号文』には、「企業が外債を発行するためには、事前に国家発展改革委員会に届出登記手続の実施を申請する。」と規定している。『56号令』では、「企業は外債を借用する場合、本弁法の規定に従い外債審査登記などの手続の実施を申請し、関連情報を報告・公開し、外債使用の最適化、リスク管理をしっかり行い、監督検査に協力する。」と規定している。当該変更からみても、外債登記は厳格化している傾向がある。

  1. 外債借用の基本条件の追加

『2044号文』には、「企業が外債を発行するには、以下の基本条件を満たす必要がある。信用が良好で、発行済みの債券またはその他の債務が違約状態にない。良好な会社管理と外債リスク防止メカニズムを有している。信用状況が良好で、高い債務返済能力がある。」と規定している。『56号令』では、上述の条件以外に、「企業およびその大株主、実際の支配者には直近3年間に汚職、賄賂、財産横領、財産流用や社会主義市場経済秩序を破壊する刑事犯罪歴が存在せず、または犯罪や重大な法律規定違反行為の疑いで法により立件調査された状況にない」という条件が一つ追加された。全面的な信用管理時代において、企業の信用は外債借用を含む各種の経営行為に対して重大な影響を与える。

又、『56号令』では審査登記(変更登記を含む)の方式、流れ、資料、時限、外債借用中・借用後の監督管理においてもより詳細に規定が加えられた。