ステマって、違法なの?

「レッド」(注:小紅書)のアプリユーザーで、コミュニティメモに書いてある商品体験談に心を揺さぶられた、さらに関連商品の購入にまで至った経験がある者は少なくないだろう。公式アカウント(公衆号)に書かれている文章に心を動かされ、共鳴し、少しの説明を見てから、成り行きで関連商品又はサービスを導入する。そして説明された効果を実感することで、当該ブランドに好感を持ち、信頼感が生じ、購入意欲がさらに引き起こされるケースも多いと思われる。

上述のコミュニティメモ、公式アカウントで書かれている文章がアドバトリアルに該当する。アドバトリアルはハードセルに反し、性質上ソルトセル広告文である。通常、配信者が本文と広告を巧みに融合させることにより、「自然」にプロダクトプレースメントという宣伝効果を実現させる。その例は、プラットフォームに投稿された「購買意欲を植え付けるレス」、「攻略」などが挙げられる。アドバトリアルは「ステルスマーケティング」の一つに属する。

「ステルスマーケティング」(以下「ステマ」という)は当初、重要なスポーツ試合に関わる活動で現れたものである。一部の非スポンサーが試合活動のプロパガンダをする時に、こっそりと広告を挿入することで、スポンサーであると誤認させ、それによってブランドの影響力拡大を図る。近年、ステルスマーケティングの種類は増加しており、上述の「アドバトリアル」以外にも、YOUKU、TIKTOKなどのプラットフォームにおいて広告を本物のレビューに見せかけ、クリックファーム、報酬付きレビュー、製品紹介又は購入リンク付きサクラレビューなども登場している。。

「アドバトリアルは不特定な消費者の話題の方向性を導き、感情を揺さぶる。また隠蔽性が高いので、消費者の識別力が喪失してしまい、アドバトリアル投稿者のフォロワーは感情的な依存により関連製品を宣伝、購入する……。」(出所:徐州中級裁判所(2020)蘇03民終5502号判決)。言い換えれば、店舗は消費者をミスリードすることで競争優位性を獲得する。従って、近年、米国、日本などの国ではステマに対する規制が重要視されている。

中国の『広告法』第2条によると、「一定の媒体及び形式を通じて直接又は間接的に自身の宣伝する商品又はサービスを紹介する活動」は広告行為に該当する。また、『インターネット広告管理暫定弁法』第3条では、広告のルートについて「ウェブサイト、ウェブページ、インターネット・アプリケーション・プログラム等のインターネット・メディアを通じる」こと、また形式について「文字、図・写真、オーディオ、ビデオ及びその他形式」が含まれるとしている。一方、『電子商取引法』第17条では、事業者は取引の虚構、ユーザー評価の捏造等の方式によって虚偽又は誤解を招く商業宣伝を行い、消費者を欺瞞、誤解させてはならないと定めている。

よって、店舗がどのような媒体及び形式を通じて宣伝・販売促進するか、「直接又は間接的に」にかかわらず、自身の宣伝する商品又はサービスを紹介することを目的とする限り、『広告法』による規制を受ける。目的を判断する際には、配信に対して対価を支払うか否か、又はその他の利益が発生するか否かが重要な判断要素となる。

『広告法』第14条及び『インターネット広告管理暫定弁法』第7条の規定によると、消費者の誤解を招かないために、広告に識別可能性を持たせ、「広告」であることを明確に表示し、消費者がそれが広告であると明らかに見分けることができるようにしなければならない。

「広告」を完全に表示せず、又は著しく表示しないことにより、消費者が特定の文書がアドバトリアルであると判別できない場合は、行政処分を受けたり、消費者に訴訟を提起されるリスクがある。

企業はPRを行うときに、リスク管理をしっかり行うために、主に以下のポイントに注意を払うよう提案する。

(1)PRの方法(会社のウェブサイト、wechat公式アカウンなど新しい媒体を通じてアドバトリアルを配信するなど)にかかわらず、企業自身の宣伝する商品又はサービスを直接又は間接的に宣伝する限り、「広告」又は「販促」等、顕著に表示すること。

(2)無料又は有料でブロカーなどに商品のレビューを投稿してもらう際は、真実に基づく体験談を記載し、客観的かつ公正に同類の製品と照合するものとし、虚偽又はマイナスの評価を行わない。