『企業名称登記管理規定』が改正され、2021年3月1日より施行
企業名(注:商号)は経営主体を識別する大切な要素である。経済の発展につれて、経営主体も増加し、規範化した企業名は市場・経済の秩序を維持するのに役立つ。企業登記は行政区画による管理を受けるため、有名企業の所在地以外の地域で同一又は類似の企業名を登録することにより、有名企業の商号を自社の企業名として不正登録することが可能である。
企業名を有効に規範化し、不正競争行為を取り締まるために、2020 年12 月14 日国務院第118 回常務会議では改正後の『企業名称登記管理規定』(以下『新規定』という)を可決した。今回の改正に係るポイントは以下の通りである。
1、企業名登記は自主申告制に変更
従来、会社を設立するときは、企業名称事前審査確認手続きを申請しなければならず、許可を得た企業名は6か月間保留とされる。その結果、多くの名称が無駄に占用されることとなるため、当該手続きは数年前に取り消された。しかし、現行規則でも、会社設立申請書類を提出した後、多くの候補企業名が要求を満たさないという問題が依然として存在している。改正後の『新規定』によると、申請者は自主的に企業名を申告できるものの、「企業名が権利侵害にならない」ことを承諾しなければならない。上記の改正は、行政管理の重点が事前管理から中間・事後管理に変更された姿勢を示している。
2、外商投資企業名の規則
『新規定』では、外商投資企業は行政区画の名称を冠しなくてもよいという規定を削除した一方、外国投資者の商号を使用する外商独資又は株式を支配する外商投資企業の企業名称には「中国」という表現が含まれることを認めた。
3、権利侵害に対する行政処理の強化
『新規定』では、権利侵害行為に対する行政処理の規則を明確にされた。
(1)手続について、権利者は権利侵害と疑われた企業の登記主管機関に処理を請求し、登記主管機関は先に受理したものを優先し、受理後に調停する。調停しても解決できない場合は、行政裁決を下す。
(2)行政処理期間について、登記機関は受理日から3か月以内に行政裁決を下さなければならない。
又、『新規定』によると、権利者が訴訟により解決を図る場合には、権利侵害者は確定判決を受け取った30日以内に企業名称の変更登記を行う。