『労働人事争議の調停/仲裁を強化し、多元化処理メカニズムを完備することに関する意見』が
人力資源/社会保障部、中央社会治安総合治理委員会弁公室、最高人民法院、司法部、財政部、中華全国総工会、中華全国工商業連合会/中国企業連合会/中国企業家協会らが、『労働人事争議の調停/仲裁を強化し、多元化処理メカニズムを完備することに関する意見』(以下『意見』という)を連名で公布した。『意見』は、労働争議事件の裁判の直接の法的根拠ではないが、今後労働争議に対する国の姿勢や傾向を示し、一定の参考価値があると思われる。以下では、企業が関心すべきポイントをピックアップして分析する。
1、企業と労働者の関係について
『意見』では、企業は民主管理制度を完備し、重要な意思決定及び重大事項に対する労働者の知る権利、関与権、表達権、監督権を保障し、労働者に対する人道主義的配慮を強化すると共に、双方間の多種な交渉?交流メカニズムを構築し、争議の処理について協議規則を完全化し、社内申立及び協議に応える制度の構築や、協議に対する労働組合の関与を強化することを要求している。
2、労働仲裁事件の取扱いについて
(1) 裁判規則の透明化
『意見』では、労働人事争議処理の特徴を体現できる仲裁証拠規則を制定し、仲裁委員会の事件処理に対する監督制度を構築し、順次仲裁裁決文書をインターネットにより公開し、仲裁事件処理に対する指導制度を構築し、裁判例による指導を強化することや、典型的案例の処理基準の統一化、自由裁量権の規範化の実現に役立つようにすることを要求している。
(2) 高効率な裁決
『意見』では、「インターネット+」という理念を確立し、いずれオンライン調停、オンライン仲裁、電子文書の送達などを展開することを要求している。
(3) 終局裁決
『意見』では、法に従い終裁決の関連規定を細分化?具体化し、終局裁決の割合を高めるようにすると要求している。
『意見』は、8つの部、委員会、部門、協会が連名で公布したもので、調停、仲裁、訴訟間の手続連携に大きな影響を与え、仲裁段階と訴訟段階における意見不一致の問題の改善にも助けになると思われる。また、企業においては、実務上、以下の点について特に重視する必要がある: ①合理的な民主管理制度及びコミュニケーションメカニズムを構築することは、個別事件の裁判結果に対し大きな影響を与える。②個別事件のリスクを評価し、人事管理制度を完備するため、関連裁判規則を把握すること。