技術秘密侵害刑事判決における損害額は後続民事事件の処理において大逆転!
概要:
Y会社及びその他二名の被告人による上海M会社の営業秘密侵害刑事事件の二審において、上海第一中級裁判所は、Y会社等がM会社の技術秘密を不正に取得・使用することで、不正利益58.8万元を獲得したと認定した。
その後、M会社は民事訴訟を提起し、Y会社に対し78.8万元(うち、合理的な支出20万元を含む)の損害賠償を主張した。
2013年、当所はY会社の依頼を受け、本件民事訴訟を代行した。道理・証拠に基づいた交渉・意思の疎通を通じて、裁判所は調停により本件を終結させ、当所の当事者側であるY会社はM会社に対し26万元のみの支払いで済むこととなった。
キーポイント:
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司法実務において、確定刑事判決書により認定された権利侵害事実及び損害額が民事事件審理の根拠とされるのは一般的である。本件は従来の思考の枠を突破し、新たな解決ルートを模索した結果である。
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刑事事件判決書の細かい点まで検討することにより、その「弱点」を掴むこと、係る法的問題に対する独特の観点を提出し裁判官に納得してもらったことが、本件を調停により終結させることが要因であると思われる。