『国家税務総局による移転価格の事前確認制度の改善事項に関する公告』が2016年12月1日より施行
最近、国家税務総局は『国家税務総局による移転価格の事前確認制度の改善事項に関する公告』を公布し、『国家税務総局による<特別納税調整実施弁法(試行)>の配布に関する通知』(国税発〔2009〕2号)に記載されている事前確認制度(Advance Pricing Agreement)及びその実施手続について具体的に規定した。その主な内容は以下の通りである。
事前確認制度の会談手続きの一層規範化
事前確認制度の会談と実施は、予備会談、意向書の提出、分析と評価、正式申請、協議・締結と執行情況の監督の6段階に区分されている。つまり、「正式申請」は国税発〔2009〕2号に記載される第2段階から第4段階に変更されている。これによって、企業の申請が拒否されるリスクが下がると思われる。
事前確認制度の適用期間の拡大
事前確認制度の適用年度について、国税発〔2009〕2号では、企業が正式な書面申請を提出した年度の翌年度から適用されるとしていることに対して、新規定では、主管税務機関が企業の交渉・締結意向を確認する「税務事項通知書」の交付日の該当納税年度から起算することに変更した。
税務機関の評価内容の増加
国税発〔2009〕2号と比べると、新規定はさらに、バリューチェーン分析及び貢献度分析の要求を追加した。即ち、企業のバリューチェーン又はサプライ・チェーンに対する分析が完全かつ明確であるか否か、企業がコスト低減及び市場割増などの地域特殊要因、及び価値創出に対する現地企業の貢献度を十分に勘案しているか否かなどは評価対象となる。
税源浸食と利益移転(BEPS)の行動計画の実施
新規定では、ユニラテラルの事前確認情報交換に関する条項を追加した。税源浸食と利益移転(BEPS)における最低基準の要求によると、中国は、2016年4月1日以降に締結した片ユニラテラルの事前確認を強制的な自発的情報交換の枠組みに入れ、関連の国(地区)と定期的な情報交換を行い、且つ納税者に告知することを承諾した。