最高裁判所『の適用の若干問題に関する解釈(一)』は2016年3月1日より施行
『物権法』の施行からおよそ10年が経過した。最近、最高裁判所は『<物権法>の適用若干問題に関する解釈(一)』(以下『物権法解释(一)』という)を公布し、実務において紛争が多発する不動産登記、共有財産分与、善意取得等について詳細に規定している。『物権法解释(一)』の内容は多岐にわたるため、そのうちの「善意取得」に関する規定のみを紹介する。
善意取得の判断基準の明確化。下記の二つの要件を同時に満たす必要がある。
取得者が譲渡者に処分権がないことを知らない。
『物権法解释(一)』では、不動産の譲受者は譲渡者に処分権がないことを知っていると見なされる状況を五つ列挙しており、そのうち、登記簿における有效な異議申出がある、譲受者の登記簿記載の権利の主体に誤りがあることを知っている等が含まれている。
取得者に重大な過失がない。
不動産について、譲受者は譲渡者に処分権がないことを知っているはずである場合(即ち、前述の五つの状況が存在した場合)、譲受者に重大な過失があると認定される。不動産について、譲受者が譲り受ける際に、取引の対象、場所又はタイミング等が交易慣習に合致しない場合は、譲受者に重大な過失があると認定される。
「善意」の有無の判断時点
善意の有無は、「譲受者が当該不動産又は不動産を譲り受けるとき」が判断時点となる。具体的に言うと、法に従い不動産物権移転登記又は動産交付を完成した際に善意の有無を判断する。不動産が法に従い、第三者により占有された場合は、譲渡者と譲受者の原物返還請求権譲渡に関連する協議書が発効される時点を不動産の交付時点と認定する。
善意取得の証明責任
真実の権利者は、譲受者に善意が存在しないことを証明する責任を負い、かつ真の権利者の関連主張は登記により取得した不動産の交付に抵抗できない。