『知的財産権資産評価指南』は2016年7月1日より施行

    国務院が2015年12月に『新形勢における知的財産権強国建設の加速に関する若干意見』を配布した直後、中国資産評価協会は2015年12月31日に『知的財産権資産評価指南』(以下『指南』という)を公布し、2016年7月1日より施行される。

    実際に、知的財産権資産評価について、中国資産評価協会は、資産の種類を区分する基準として、『資産評価準則——無形資産』、『専利資産評価指導意見』、『商標資産評価指導意見』、『著作権資産評価指導意見』を含む「1+3」フレームを既に構築した。但し、「1+3」フレームにおいて、知的財産権の種類が全面的ではなく、さらに評価パラメーターの選択が一致していないため、知的財産権の評価目的によって具体的な評価要素、重点の設定などの問題がある。

    新しく公布された『指南』では、知的財産権への価値認定、法的保護、管理のバランスと統一性を図るため、各種の知的財産権に対する評価について同一の基本要求を規定している一方、知的財産権評価の具体的な目的(知的財産権の譲渡、実施許諾、出資、財務報告、質入れ、訴訟等を含む)に応じて、それぞれ参照すべき法律法規、考慮すべき要素、注意すべき内容、適用する評価方法等を定めている。

    注意すべきことは、『指南』第22条では、「1+3」フレームに反映されてない、営業秘密の評価について、以下の通りに評価の基本要求を定められていることで、。「営業秘密の資産評価業務については、営業秘密の等級、秘密保持期間、使用範囲などに着目すると同時に、権利者の秘密保持措置(例えば、競業避止協議書など)による商業秘密価値への影響を考慮すべきである」。これは、営業秘密の資産評価の依拠となる。

    実務において、企業は、特定の知的財産権の評価にあたって、まず評価目的及び『指南』の関連規定に基づき、提供必要な資料の種類、内容を明確するとともに、「1+3」フレームににおける「評価指導意見」の具体的な規定に従い、評価機構と有效に話し合った上で、できる限り全面的かつ的確な資料を提供する必要がある。

    逆に、他社より提供される知的財産権資産評価報告に対しては、『指南』等文書の規定を踏まえて、評価の要求を満たしていなかったり、又は評価考慮要素が不合理であるなど問題を洗い出し、相応の質疑又は抗弁を提出することが考えられる。