国家工商行政管理総局『知的財産権濫用による競争排除・制限行為の禁止に関する規定』は2015年8月1日より施行

    知的財産権濫用による競争排除・制限行為は、近年注目を集める問題となっている。当該行為は知的財産権保護の立法趣旨に背き、独占など多くの問題を引き起こした。これを踏まえ、2015年4月7日に国家工商行政管理総局は『知的財産権濫用による競争排除・制限行為の禁止に関する規定』(以下『規定』という)を公布し、市場支配的地位を有する事業者が知的財産権行使の過程で市場支配的地位を濫用することを禁止した。

    『規定』の主な内容は下記の通りである:

    「知的財産権濫用による競争排除・制限行為」の定義を明確化。知的財産権濫用による競争排除・制限行為とは、「独占禁止法の規定に違反した事業者の知的財産権行使、独占的協定の実施、市場支配的地位の濫用などの独占的行為を指す(価格独占行為は除外する)。

    『規定』第5条で記載されている「セーフハーバーのルール」を適用する二つの状況を除き、事業者が知的財産権の行使による独占的協定締結を禁止する。

    市場支配的地位を有する事業者が知的財産権行使の過程で市場支配的地位を濫用することを禁止する:

    正当な理由なく、知的財産権について第三者の合理的条件での実施許諾を拒否する;

    正当な理由なく、取引制限行為を行う;

    正当な理由なく、不合理な制限条件を付帯した行為を行う。例えば、取引相手がその知的財産権の有效性について質疑することを禁止する等;

    正当な理由なく、同一条件の取引相手に対し差別的な取り扱いを行う。

    パテントプール、標準の制定と実施における知的財産権行使行為が独占行為となりうる具体的な状況を明確にした。 

    知的財産権濫用による競争排除・制限行為に対する処罰は、『独占禁止法』基準を適用する。即ち、「違法所得を没収し、前年度の売上高の1%以上10%以下の罰金を併科する」。