最高裁判所が『最高裁判所による〈中華人民共和国企業破産法〉適用の若干問題に関する規定(二)』を公布
2013年9月5日、最高裁判所が『最高裁判所による「中華人民共和国企業破産法」適用の若干問題に関する規定(二)』(以下『規定』という)を公布し、2013年9月16日より施行されている。『規定』は合計48条を含み、債務者財産の認定、取消権、取戻権、相殺権、債務者財産の保全措置の解除及び執行中止、債務者に係る訴訟の審理などの多方面により、債務者財産に関する問題について定めている。 以下では、その中から3点ほど紹介する。
債務者の共有財産に対して執行する場合の規則。『規定』は『物権法』の共有財産に関する規定に基づき、破産清算を共有財産の分割の法定事由とする。裁判所の裁定によって債務者が再編、又は和解となった場合、共有財産の分割が必要なときは、管財人は財産の分割を申立することができ、裁判所はそれを認める。共有財産の分割により、その他の共有者に与えた損害について、その他の共有者が共益債務として弁済すると請求した場合、裁判所はそれを認める。
債務者の破産時に未決の訴訟の管轄権の明文化。『規定』では、以下のことを定めている。裁判所が破産申立の受理前に受理したものの、破産申立の受理時に審理を終結していない関連債務者に関わる民事訴訟は、その裁判所が引き続き審理する。破産申請が受理された後、当事者が新たに提起する債務者に関わる民事訴訟は、全て破産申立を受理した裁判所が管轄する。
破産企業の董事、監事、高級管理職が職権を利用して得た正常でない収入の範囲の明確化。『規定』では正常でない収入は、業績賞与、企業が全面的に賃金遅配状態の中、取得した賃金収入及びその他の正常でない収入を含む。又、それらの正常でない収入の返済については、状況によって処理する:
業績賞与及びその他の正常でない収入については、普通の破産債権として弁済する。
企業が全面的に賃金遅配状態の中、取得した賃金収入については、当該企業の従業員の平均給料相当分は、従業員給料遅配分として弁済する。当該企業の従業員の平均給料相当額を超えた分については、普通の破産債権として弁済する。
『規定』では、債務者財産と破産の手続きについて比較的に詳しく規定しているのに対して、近年、実務において多発している故意的な破産に対しては、関連の法律、法規では、悪意的な破産で資産を詐取する行為を規制していおらず、この問題を破産法分野のグレーエリアとして残っている。