『民事訴訟手続繁簡分流改革試点問答意見(一)』が2020年4月15日より施行

『一部の地域における民事訴訟手続繁簡分流改革試点業務の権限を最高人民法院に授けることに関する全国人民代表大会常務委員会の決定』によると、2019年12月29日より、2年を期間とする民事訴訟手続繁簡分流改革試点業務の幕が開かれた。試点業務の重点は主に司法確認手続の最適化、少額訴訟手続の完備、簡易手続規則の完備、独任制の適用範囲の拡大、オンライン訴訟規則の完備にある。

数ヶ月間業務を展開した上で、最近、最高人民法院は『民事訴訟手続繁簡分流改革試点問答意見(一)』(以下『意見(一)』という)を公布し、実務上の問題について政策?意見を統一した。その内、オンライン訴訟の実務における要点は注目に値する。

1、オンライン訴訟の適用

オンライン訴訟を適用するか否かは、案件の種類によって判断するわけではなく、4つの要件を満たすか否かによって判断する。

法的根拠がある。つまり、法律では裁判所における訴訟を明確に定めた場合を除き、オンライン訴訟の新たなメカニズムである場合は、手続の公正性を確保する前提下で、オンライン訴訟関連規則を完備してみることができる。

当事者の選択を尊重する。つまり、当事者の一方がオンライン訴訟を選択せず、かつ合理的な理由を持っている場合は、原則としてオンライン訴訟を適用しない。当事者の一方がオンライン訴訟を選択した場合は、正当な理由がなければ翻意してはならない。

案件の実際状況に合致する。案件の性質、特徴、証拠の種類などの要素を総合的に考慮する。通常、訴訟関与者が多いし、証拠が煩雑である場合は、オンライン訴訟を適用しない。

技術条件を備えている。裁判所のオンライン訴訟に係る技術条件が基準に達していない場合は、オンライン訴訟を適用しない。

2、電子書類の効力

『民事訴訟手続繁簡分流改革試点に関する最高人民法院の実施弁法』及び『民事訴訟証拠に関する若干規定』(2019年改正)では、電子書類の効力を明確にした。但し、実務において、「電子書類が原本と看做されるため、電子書類の真実性?合法性?関連性を直接に認める」という観点がある。但し、『意見(一)』では、「電子書類が原本と看做されるとは、電子書類の形式上の真実性を認めるだけで、実質上の真実性の有無について別途説明?討論を行う必要がある」ことを指摘した。

3、電子書類審査の留意点

『意見(一)』では、電子書類を3種に分け、それぞれに審査要求を設定した。

比較的難しくない訴訟書類。例えば、第三者機関から発行される電子書類に対して、オンライン検索を行い、委任書などに対して電話で確かめることができる。

当事者双方が共に保有する電子書類。異議申立てを行わない場合は、直接に認めることができる。

当事者の一方が保有する電子書類。当事者の一方が作成した書式以外の電子書類で、かつ案件に重要な役割を果たし、裁判所が真実性を確認できないと判断する場合、原本の提出を命じる。

又、『意見(一)』では、司法確認手続、少額訴訟手続、簡易手続の規則、独任制の適用範囲、電子送達などの実務上の取扱いについて方針を示した。