『特別納税調査調整及び相互協議手続に関する管理弁法』が2017年5月1日より施行
2009年国家税務総局が『特別納税調整実施弁法(試行)』を公布した後、関連取引を一層規範化し、国際税収政策と統合するために、国家税務総局は細分化した規定を続々と公布した。最近,国家税務総局は『特別納税調査調整及び相互協議手続管理弁法』(以下『弁法』という)を公布し、特別納税調整及び相互協議手続に対して規定を一層細分化した。『特別納税調整実施弁法(試行)』と比べ、『弁法』では主に以下の内容について調整?細分化した。
1、重点的な調査対象となる企業が持つリスクの特徴を追加
(1)受け取る収益と分担する原価が一致しない。
(2)低税率国(地域)にある関連者と取引がある。
(3)関連者から受け入れた関連負債資本比率(債権性投資/権益性投資)が規定基準を超えている。
(4)居住者企業、又は居住者企業と中国居住者が支配し、実際の税負担が12.5%を下回る国(地域)で設立され、合理的な経営ニーズ以外の理由で利益配分しない、又は利益配分を減らしている。
2、電子データの証拠調べの方法を追加
(1)提供者が電子データをハードコピーにプリントアウトし、ハードコピーにおいてデータの出所、プリント場所を明記するとともに、「電子データと相違なし」と明記し、かつ提供者が署名?押印しなければならない。
(2)有形媒体形式の固定電子データを用いて、調査担当者と電子データ提供者の指定人員と共に、電子データを読み取り専用記憶装置に複製し、封印する。封印包装物に電子データの名称、データの出所、製作方法、製作時間、製作者、ファイルのフォーマットとサイズなどを記載し、かつ「原始媒体にある電子データと相違なし」と明記し、電子データの提供者は署名?押印しなければならない。
3、比較性分析の内容を具体化
(1)取引資産及び役務の特性において、役務の性質と内容、金融資産の特性、内容、リスク管理等を追加した。
(2)各取引参加者が使用する資産において、有形資産、無形資産、金融資産などを含む種類を追加した。
(3)契約条項において、企業が契約を執行できる能力と行為、及び関連者間で締結した契約条項の信憑性などの注目点を追加した。
(4)経済環境において、コスト節約、マーケットプレミアムなどの地域性特殊要因などを追加した。
(5)経営戦略において、イノベーションと研究開発、多元化経営戦略、相乗効果、リスク回避戦略及び市場占有戦略などを追加した。
『弁法』では各種の具体的な譲渡に係る価格設定方法の分析要素、異なる業務モデルの分析要求、調整手続、罰則などを一層具体化した。『弁法』は近年税務機関の実務規範を公開するための試みと言えるだろう。