人事評価規則、必ずしも人事管理に役立つか?

    電子部品製造メーカーである大風会社は、業務効率化を実現するために、「人事評価規則」を制定し、次のことを規定している。満点は100点で、60点未満は不合格となり、その場合、会社は、降格または減給を行うことができる。又、判断基準については、業務遂行状況40点、勤務態度40点、出退勤20点で構成され、そのうち、勤務態度の点数は、直属上司が決める。

    年末に、管理課課長の張氏は、業務遂行状況20点と出退勤20点、合計40点の評価結果を受けて、不合格と評価された。張氏は会社に対し、その直属上司は、正当な理由がなく、勤務態度について0点と評価し、かつ会社が庶務管理の業務遂行基準を定めていないが、上司から指示された仕事量は正常範囲を超えている、と苦情を申し立てた。但し、会社は、張氏の苦情を無視して、直ちに張氏を一般社員に降格し、その職務手当も相応に減額した。従って、張氏は、労働仲裁を提起した。

     仲裁において、大風会社は、張氏の勤務態度は大変悪く、3回以上上司にたてつき、かつ、仕事を適時に完了できない、と主張した。一方、張氏により提供されたメールによると、その上司は、平均毎日30から40通のメールを張氏に送付し、処理を要求する。最終に、仲裁委員会は、大風会社の「人事評価規則」が定めている勤務態度評価基準は主観的すぎて、会社も張氏が上司にたてついたことを証明できず、又、庶務管理の仕事量についての基準が定められていないものの、上司が張氏に指示した実際の仕事量は明らかに普通の労働者のできる範囲を超えている、と認定し、結局大風会社の敗訴となった。

    「人事評価」は、会社にとって非常に重要であるが、実用的なものではなければ、会社の管理に悪い影響を与えるだけである。実用性のある「人事評価」をデザインするために、規則の適法性、合理性、定量化などを総合的に考えなければならないと思う。